柔道整復師として応募するとき、履歴書や面接で必ず求められるのが自己PRです。ところが、いざ書こうとすると、何を強みとして挙げればよいのか、どう書けば伝わるのか、手が止まってしまう方は少なくありません。無難な言葉で埋めてしまい、あとで手応えのなさを感じる。そんな経験に心当たりがあるかもしれません。
採用する側から一つお伝えすると、自己PRは、自分の強みを並べる場ではありません。その強みが、入職後に当院でどう活きるのかを、採用担当に想像させるものです。ここを外すと、どれだけ立派な強みを挙げても、面接官の心には届きません。この記事では、自己PRと志望動機の違いを整理したうえで、採用担当が自己PRで本当に見ているところ、柔道整復師ならではの強みの見つけ方、そして例文までを、採用する側の視点で解説します。
まず整理しておきたいのが、自己PRと志望動機の違いです。この二つを混同したまま書いてしまう人は、意外と多いものです。自己PRは、あなたがどんな強みを持っているのかを伝えるものです。一方、志望動機は、なぜ数ある院のなかで当院を選んだのかを伝えるものです。問われていることが、そもそも違います。
自己PRの欄に志望動機のようなことを書いてしまうと、肝心の強みが伝わりません。逆もまた同じです。それぞれの役割を理解し、自己PRでは自分の強みを、志望動機ではこの院を選んだ理由を、はっきり書き分けることが、伝わる応募書類の第一歩になります。この記事では、このうち自己PRの書き方に絞って解説していきます。
採用担当が自己PRを読むとき、確かめているのは、実は強みそのものの立派さではありません。その強みが、入職後に当院で本当に活きるのか、という再現性です。どれだけ素晴らしい強みでも、それがこの院での働きに結びつかなければ、採用担当にとっては判断の材料になりません。
たとえば、努力家ですと述べるだけでは、採用担当はその努力が施術の現場でどう発揮されるのかを想像できません。国家試験に向けて毎日学習を続けた、という具体的な事実を添え、さらにこの継続する力を技術の習得に活かしたい、と結べば、採用担当は入職後のあなたの姿を思い描けます。強みは、具体的な事実で裏づけ、入職後にどう活きるかまで示してはじめて、再現性のあるPRになります。自己PRを書くときは、その強みが当院で活きる、と採用担当に思わせられているかを、いつも意識してください。
では、柔道整復師にとって、どんな強みがPRの材料になるのでしょうか。自分には強みなんてない、と感じる方もいるかもしれませんが、これまでの経験を振り返れば、必ず見つかります。柔道整復師ならではの強みの材料を、PRにするときの切り口とあわせて整理します。
| 強みの材料 | PRにするときの切り口 |
|---|---|
| 技術への姿勢 | 学び続け、技術を磨こうとする意欲 |
| 患者への対応 | 話を聞き、状態を把握し、信頼を築く力 |
| 学ぶ力 | 国家試験や新しい手技を習得してきた経験 |
| 体力・継続力 | 地道に努力を続けられる力 |
| コミュニケーション | チームや患者と円滑に連携する力 |
大切なのは、これらの強みを、抽象的な言葉で終わらせないことです。コミュニケーションが得意ですと書くだけでは弱く、前職でどんな場面でその力を発揮したのか、具体的な経験を添えることで、強みは説得力を持ちます。自分の経験を振り返り、この表のどの強みに当てはまる出来事があったかを、書き出してみてください。その具体的な経験こそが、あなたの自己PRの核になります。
ここからは、立場別の例文を示します。丸写しするためのものではなく、構成の型を身につけるための下敷きとして使ってください。それぞれの後に、採用する側から見てどこが効いているのかを添えます。
私の強みは、目標に向かって地道に努力を続けられることです。国家試験に向けた勉強では、毎日欠かさず学習の時間を確保し、苦手な分野を一つずつ克服してきました。この継続する力は、柔道整復師として技術を磨き続けるうえでも活かせると考えています。貴院の、一年目から段階的に技術を学べる環境で、基礎から着実に力をつけ、患者様に信頼される施術者へと成長していきたいです。
採用側の視点で言えば、継続する力という強みを、国家試験に向けた学習という具体的な事実で裏づけている点が効いています。さらに、その力を技術を磨き続けることに活かしたいと、入職後に活きる形へつなげているため、再現性が見えます。院の教育環境に触れている点も、当院で成長したいという意欲として伝わります。
私の強みは、患者様の話に丁寧に耳を傾け、状態を的確に把握することです。前職の整骨院では、問診の時間を大切にし、一人ひとりの生活の背景まで踏まえた施術を心がけてきました。その積み重ねのなかで、継続して通ってくださる患者様との信頼関係を築くことができました。この傾聴と観察の力を、慢性の不調にじっくり向き合う貴院の方針のなかで、さらに活かしていきたいと考えています。
この例文は、傾聴と観察という強みを、前職での具体的な行動で裏づけている点が良いところです。そのうえで、応募先が大切にしている慢性の不調への向き合い方に結びつけているため、この人はうちで活きる、と採用担当が想像しやすくなっています。転職の自己PRでは、前職の経験を、応募先の方針にどう接続するかが鍵になります。
ここまでの例文からも分かるとおり、効果的な自己PRは、応募する院に合わせて少しずつ変わります。同じ強みでも、どの院に向けて語るかで、強調すべき点が変わるからです。だからこそ、自己PRを書く前に、その院がどんな施術者を求めているのかを知っておくことが大切です。
たとえば、保険を中心に多くの患者さんを施術する院と、自費で一人ひとりにじっくり向き合う院とでは、求められる強みの色合いが違います。前者ではてきぱきと数をこなす力が、後者では深く向き合う力や学び続ける姿勢が、より響きやすくなります。応募先の院が、技術の育成をどう考えているのか、どんな施術を大切にしているのかを、採用サイトや職場見学で確かめてください。院の方針を理解したうえで、そこに自分の強みを重ねられれば、自己PRは、その院にしか響かない一枚になります。自己PRを磨くことは、実は自分に合う就職先を見極めることにもつながっているのです。
応募先を見極めるときは、次の5点を確認してください。
自己PRは、一人で書いていると、これで伝わるのだろうかという不安が消えないものです。自分の強みが本当に強みなのか、応募先にどう合わせればよいのか、迷いは尽きません。そんなときは、実際に応募書類を読み、採用の判断をしている側に、直接聞いてみるのが近道です。
私たちmayplus-recruitは、東京・埼玉・千葉で自費の施術所を展開するCUREPROの採用窓口です。当社の平均給与は42.7万円ですが、これは自費で技術に対価をいただく仕組みのため、実力が伸びるほど収入も伸びる、天井の高い環境だということです。どんな強みが当社で活きるのか、自己PRをどう組み立てればよいのか、採用する立場から、正直にお話しします。応募を迷っている段階でも構いませんので、気軽にご相談ください。あなたの強みが正しく伝わるよう、力になれればと思います。

監修
阿部 純治(柔道整復師)
株式会社May-Plus 代表取締役。柔道整復師として臨床に携わったのち、東京・埼玉・千葉で自費の構造改善専門院CUREPROを展開。柔道整復師の採用と育成に取り組む。