2026.07.13

整骨院の面接で確かめること|聞かれてはいけない質問と逆質問

整体師正社員求人の施術・研修風景

整骨院の面接について調べると、よく聞かれる質問と模範的な回答例が出てきます。志望動機はこう答える、退職理由はこう伝える。準備しておいて損はありません。

ただ、少し検索を続けると、別の種類の記事にも行き当たります。院長や経営者に向けて、即戦力を見抜く質問集や、応募者を選別する面接手法を説くページです。面接の教科書は、机の両側に存在している。

だとすれば、片側だけを読んで臨むのは、もったいない話でしょう。柔道整復師として現場に立ち、いまは面接する側にも立つ人間として、両方の視点からお伝えします。

阿部純治
阿部純治
面接は自分を伝えるだけでなく、求人票だけでは分からない働き方や職場の考え方を確認する機会でもあります。

面接は、選ばれる場であり、選ぶ場でもあります

整骨院の面接を応募先を選ぶ場として考える求職者

採用する側は、応募者が自院の理念に共感するか、長く働いてくれるかを見ています。当然のことです。ところが応募する側は、落とされないことばかりを考えて、院を評価する視点を持ち帰り忘れる。

その結果、何が起きるでしょうか。内定は得たものの、入職してから話が違うと感じる。整骨院業界に限らず、早期離職の背景にはこうした情報の非対称があります。

面接の30分から60分は、あなたが院を審査できる、ほとんど唯一の機会です。緊張して受け身になった時間は、二度と戻ってきません。

よく聞かれる質問は、意図を読むと答えが変わります

整骨院の面接で質問の意図を整理する求職者

質問への回答を丸暗記しても、深掘りされれば崩れます。何を確かめようとしているのかを理解したほうが、応用が利きます。

なぜ柔道整復師を目指したのですか

ここで聞かれているのは、感動的な原体験ではありません。志望の理由が具体的な経験に根ざしているか、そして数年後も続けられる動機かどうかです。部活動での怪我や家族の存在といったきっかけは、多くの応募者が語ります。差がつくのは、その先に何を見たかという部分でしょう。

前職を辞めた理由は何ですか

不満を並べると、うちでも同じことを言うのだろうと受け取られます。かといって取り繕うと、深掘りで矛盾が出る。事実として何が起きて、自分は何を改善しようとして、それでも変わらなかったから次を探している。時系列で語れば、不満は判断の材料に変わります。

どのようなキャリアを考えていますか

将来の独立を隠すべきか迷う方がいます。院の方針によりますが、隠したまま入職しても、いずれ表面化する話です。むしろ、独立を応援する文化があるかどうかを見極める材料として使えるかもしれません。答えを濁されたなら、その院での将来像は限られている可能性があります。

よくある質問面接側が見ている点答え方の軸
なぜ柔道整復師を目指したのですか動機の具体性と継続性きっかけ、その後に学んだこと、今後の方向
前職を辞めた理由は何ですか課題への向き合い方起きた事実、改善の行動、転職で実現したいこと
どのようなキャリアを考えていますか院の方針との接点数年後の役割と、そのために身につけたい力
阿部純治
阿部純治
待遇については、月給だけでなく固定残業代の内訳、休日、研修時間、評価の見直し時期まで具体的に確認しましょう。

待遇を聞くのは、失礼ではありません

面接で給与や休日などの待遇を確認する求職者

ここは、はっきり申し上げたい部分です。逆質問について解説する記事の多くが、待遇面に関する質問は印象が悪いと教えています。その助言を鵜呑みにすると、労働条件を確かめないまま入職することになりかねません。

労働条件の明示は、事業主の義務です。労働基準法第15条第1項は、労働契約を結ぶ際に賃金や労働時間などの労働条件を明示しなければならないと定めています。2024年4月からは明示すべき事項が追加され、就業場所や業務の変更の範囲についても示す必要が生じました。制度の内容は厚生労働省の2024年4月から労働条件明示のルールが変わりますで確認できます。

さらに同条第2項には、明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除できると書かれています。法律が、条件をはっきりさせなさいと求めている。だとすれば、面接で確認することは失礼にあたりません

要は聞き方です。より高い給与を求める交渉として持ち出せば、印象は良くないでしょう。長く働きたいので条件を正確に理解しておきたいという確認として尋ねるなら、誠実な応募者として受け取られます。基本給と歩合の内訳、固定残業代の有無と相当時間数、研修が業務時間に含まれるか。事実で答えられる質問ばかりです。

面接で、尋ねてはならない事項があります

採用面接で尋ねてはいけない事項を確認する面接担当者

ほとんど知られていない論点を、ひとつお伝えします。面接では、応募者が答える必要のない質問が存在します。

厚生労働省は、就職差別につながるおそれがある14の事項を公表しています。本籍や出生地に関すること。家族に関すること。住宅状況や生活環境に関すること。宗教、支持政党、人生観や生活信条、尊敬する人物、思想、社会運動、購読している新聞や雑誌、愛読書に関すること。加えて、身元調査の実施や、合理的な必要性が認められない健康診断の実施も挙げられています。詳しくは採用選考時に配慮すべき事項をご覧ください。

採用基準にするつもりがなくても、把握してしまえば採否に影響する。だから尋ねないでほしい、という考え方です。

注目したいのは、同じページに記された指摘です。令和6年度にハローワークが把握した854件の事例では、家族に関することの質問が多くを占めていました。面接の空気を和らげるために聞いてしまうケースが多いと、注意喚起されています。悪意ではなく、雑談のつもりで踏み込んでしまう。想像がつくのではないでしょうか。

では、実際に尋ねられたらどうするか。答えたくなければ、答える義務はありません。仕事に関係のある質問として言い換えていただけますかと返す方法もあります。対応に迷ったときは、最寄りのハローワークに相談できます。

そして、この事実を知っている応募者には、もうひとつの効用があります。何を聞かれたかで、その院が採用をどれだけ真剣に設計しているかが分かる。面接は、相手を測る場でもあるのです。

実技チェックと見学は、情報の宝庫です

実技チェックと職場見学で施術環境を確認する求職者

整骨院の面接では、実技を見られる場面があります。完成された技術を求められているわけではないでしょう。手の使い方、患者さんへの声かけ、指示への反応。姿勢が表れる部分が見られます。

同時に、その場はあなたにとっての観察機会でもあります。指導する側の言葉づかいはどうか。院内で交わされる会話に、患者さんへの敬意が感じられるか。

見学を申し込めるなら、必ず行ってください。院長がいる場面と席を外した場面で、スタッフの口調が変わらないか。新人が先輩に質問できているか。閉院間際の、疲れが出る時間帯の空気。求人票の何倍もの情報が、そこにあります。

阿部純治
阿部純治
逆質問は、研修の担当者や独り立ちの基準など、応募先が事実で答えられる内容を選ぶと職場の透明性が見えます。

逆質問は、事実で答えられるものを選ぶ

面接の逆質問を準備して事実を確認する求職者

最後にどうぞと言われて、特にありませんと答えるのは惜しい。かといって、調べれば分かることを尋ねても意味がありません。

おすすめしたいのは、意見ではなく事実で答えられる質問です。雰囲気は良いですかと聞けば、良いですよという答えしか返りません。かわりに、独り立ちまでの平均的な期間はどれくらいですかと尋ねてみてください。数字で答えられるなら、教育が仕組みとして存在します。

評価の基準は全員に公開されていますかという問いも有効です。何を達成すれば昇給するのかが見えない職場では、努力の方向が定まりません。研修は業務時間内に行われますかという確認も、同じ性質を持ちます。

もうひとつ、勇気があれば聞いてみてほしい質問があります。保険と自費の線引きを、院としてどのような基準で判断していますか。答え方に、その院の姿勢が最も濃く出る問いだと考えています。

  • 独り立ちまでの平均期間と、合格の判断基準は何ですか
  • 評価基準は文書化され、全スタッフに公開されていますか
  • 研修は業務時間内ですか。時間外の場合は賃金の対象ですか
  • 基本給・歩合・固定残業代の内訳はどうなっていますか
  • 保険施術と自費施術を、院ではどのような基準で区分していますか

※「雰囲気は良いですか」ではなく、数字・制度・判断基準で答えられる質問を準備しましょう。

私たちCUREPROの面接について

CUREPROで身体の状態を確認する実際の施術風景

CUREPRO(株式会社May-Plus)は、東京、埼玉、千葉で10院を展開する整体院です。完全自費で運営しており、保険請求は行っていません。スタッフの平均給与は42.7万円で、年間休日は選択制です。慢性的な痛みから難治性の症状、スポーツ障害まで、力に頼らない施術技術を学べる環境を整えてきました。外傷への対応は有資格者による判断が前提となるため、当院では扱っていません。

一次面接には、代表の阿部が同席します。評価の基準はスタッフ全員に公開しており、研修の中身は教育研修制度に、勤務条件は募集要項福利厚生のページで開示しています。面接の場で初めて知るより、先に読んでいただいたほうが、限られた時間を深い話に使えるはずです。

先ほど、事実で答えられる質問をしてくださいとお伝えしました。私たちに対しても、遠慮は不要です。答えられないことがあれば、そう申し上げます。

面接に不安があるなら、CUREPROに相談してみませんか

整骨院の面接準備について相談する求職者

面接は、試験ではありません。互いに情報を交換し、一緒に働けるかどうかを確かめ合う場です。落とされないための準備だけでなく、確かめるための準備をして臨んでください。準備の質は、入職後の数年間を静かに左右します。

志望動機がまとまらない。前職の退職理由をどう伝えるか迷う。そもそも、どんな職場を選ぶべきか分からない。どの段階でも構いません。柔道整復師として現場に立ち、いまは採用する側にも立つ立場から、一緒に整理させていただきます。

私たちが何を大切にしているかは、選ばれる理由のページにまとめました。話を聞いてみたいと思われたら、エントリーフォームからご連絡ください。

確かめる面接を、一緒に

完全自費、平均給与42.7万円、年間休日選択制、評価基準を公開。東京、埼玉、千葉で10院を展開しています。

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よくある質問

整骨院の面接に関する疑問を整理する求職者
整骨院の面接で給与や休日を質問しても大丈夫でしょうか

問題ありません。労働条件の明示は労働基準法第15条による事業主の義務です。交渉としてではなく、長く働くための確認として尋ねれば、誠実な姿勢として受け取られます。基本給と歩合の内訳や、固定残業代の有無を確認しておきましょう。

面接で家族構成や出身地を聞かれました

厚生労働省は、本籍や出生地、家族に関することなどを含む14の事項について、面接で尋ねることが就職差別につながるおそれがあると示しています。答えたくない場合、答える義務はありません。対応に迷うときは、最寄りのハローワークに相談できます。

将来の独立を面接で話してもよいのでしょうか

院の方針により受け止め方は異なります。ただ、隠したまま入職しても、いずれ表面化します。独立を応援する文化があるかどうかを見極める材料として、伝えてみる価値はあるでしょう。

逆質問では何を聞けばよいですか

意見ではなく事実で答えられる質問を選んでください。独り立ちまでの平均的な期間、評価基準が公開されているか、研修が業務時間内かなど。数字や制度で答えられるかどうかに、その院の実態が表れます。

実技チェックではどこを見られていますか

完成された技術よりも、手の使い方、患者さんへの声かけ、指示への反応といった姿勢が見られる場面が多いようです。同時に、指導する側の言葉づかいを観察できる機会でもあります。

監修者

阿部純治

阿部 純治(あべ じゅんじ)

株式会社May-Plus 代表取締役。柔道整復師。東京、埼玉、千葉で完全自費の整体院CUREPROを10院展開。保険に頼らない構造改善型のモデルを軸に、施術者が納得して働ける採用と組織づくりに取り組んでいる。

監修者X:阿部純治(@curepro_seitai)

参考資料

厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります
厚生労働省 公正採用選考特設サイト「採用選考時に配慮すべき事項
厚生労働省 公正採用選考特設サイト「公正な採用選考の基本

制度や統計の内容は公表時点のものです。法令は改正されることがあるため、最新の情報は各出典をご確認ください。採用選考や労働条件について疑問がある場合は、ハローワークや労働基準監督署などの公的窓口にご相談ください。

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