2026.07.15

柔道整復師の就活で差がつく点|採用側が本当に見ているもの

柔道整復師の就活について調べると、準備の進め方や施設見学の申し込み方、面接でよく聞かれる質問といった、いわゆる型はひととおり見つかります。流れを知ること自体は大切ですが、その型をなぞっただけでは、他の応募者と差はつきません。同じ型は、誰もが読んでいるからです。

本当に差がつくのは、採用する側が面接や見学で何を見ているのかを理解しているかどうかです。私たちmayplus-recruitは、採用を行う側の立場にあります。だからこそ、この記事では一般的な就活の流れをなぞるのではなく、採用担当の視点から、就活のどこに力を入れるべきかをお伝えします。

先に一つお断りしておきます。就活の型そのものは他の記事にも詳しく載っています。ここで扱うのは、その型の裏側で採用側が何を判断しているか、という部分です。

柔道整復師の就活は、いつ動き始めるか

柔道整復師を目指す多くの方は、専門学校や大学の在学中に就職先を決めます。国家試験は例年2月から3月に実施されるため、試験勉強と就活の時期は重なります。ここで迷うのが、いつから動き始めるかという点でしょう。

結論から言えば、動き出しは早いほうが有利です。理由は二つあります。一つは、条件のよい院や、育成に力を入れている院ほど、募集枠が早く埋まる傾向があるからです。もう一つは、早く動けば、それだけ多くの院を見比べる時間が取れるからです。就活は、一件を決めるまでに何件見たかで納得感が変わります。焦って試験直前に一件だけ見て決めるのと、余裕を持って三件、四件と見て決めるのとでは、入職後の満足度が違ってきます。

とはいえ、国家試験に合格しなければ柔道整復師として働くことはできません。就活に気を取られて試験対策がおろそかになっては本末転倒です。在学中の早い段階で情報収集と見学を進め、直前期は試験に集中する。この配分を意識しておくと、どちらも取りこぼさずに済みます。

求人の探し方と、求人票で最初に見る一行

就職先の探し方には、いくつかの入り口があります。専門学校や大学のキャリアセンター、学内で開かれる就職ガイダンス、気になる院の公式採用サイト、そして求人サイトや紹介です。キャリアセンターには過去の卒業生の就職実績が蓄積されているため、学校経由でしか出てこない情報もあります。まずはここを起点にするのが手堅い進め方でしょう。より広く探す方法は、求人の探し方を整理した記事も参考になります。

求人票のどこを最初に見るか

求人票を開いたとき、多くの人は月給の額面に目が行きます。けれど採用側の視点で言えば、最初に見るべきは金額そのものではなく、その内訳です。同じ月給25万円でも、基本給がいくらで、そこに固定残業代や歩合がどう乗っているのかで意味は変わります。新卒の初任給は全国平均で月給23万円台が目安ですが(出典:厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査)、この数字の中身を読み解けるかどうかが、就活の成否を分けます。年間休日と研修時間の関係も同じです。休みが多い院は働きやすい一方で、勤務時間内に学べる時間が限られる場合もあります。給与の細かな見方は柔道整復師の給料の記事にまとめました。

職場見学で、採用担当が実は見ているところ

気になる院が見つかったら、応募の前に職場見学を申し込みます。ここで知っておきたいのは、職場見学が面接を兼ねている場合が多いという事実です。つまり、見学は院があなたを見る場でもあります。身だしなみを整え、時間を守り、メモを取る。こうした基本を押さえるだけで、印象は変わります。

では、採用担当は見学中の応募者の何を見ているのでしょうか。技術ではありません。新卒に完成された技術を求める院は、そもそも多くないのです。見ているのは、伸びる素地があるかどうかです。院内で交わされる会話や患者さんへの対応に、どれだけ関心を向けているか。指導役の説明を、素直に受け止められそうか。質問の内容に、自分なりの考えが表れているか。こうした点から、この人は入職後に伸びるかを見立てています。

見学中に、あなたが確かめたい3つの実際

見学は院に見られる場であると同時に、あなたが院を見抜く場でもあります。求人票には書かれない実際を、この機会に確かめてください。一つ目は、スタッフ同士の会話の空気です。忙しい時間帯に、先輩が後輩にどう接しているか。二つ目は、入職1年目のスタッフが実際に何をしているかです。受付や雑務だけなのか、施術に関わり始めているのか。三つ目は、患者さんが院を出るときの表情です。この三つは、その院で自分が3年後にどうなっているかを映す鏡になります。

面接で問われる「どんな柔道整復師になりたいか」の本当の意味

柔道整復師の就活で、ほぼ必ず問われる質問があります。どんな柔道整復師になりたいか、という問いです。この質問に、志の高さを語ればよいと考えている人が多いのですが、採用側の意図は少し違います。

この問いは、あなたの目標と、この院が提供できるものが噛み合っているかを確かめるためのものです。たとえば、慢性の痛みに自費でじっくり向き合いたいという目標を持つ人が、保険中心で数をこなす院を志望していれば、入職後にすれ違いが起きます。採用側は、そのミスマッチを面接の段階で見極めたいと考えています。だからこそ、答えるべきは抽象的な理想ではありません。

抽象的な理想より、具体的な設計を語る

患者さんに寄り添える柔道整復師になりたい、という答えは、悪くはないものの、誰でも言えてしまいます。採用側の心に残るのは、もっと具体的な設計です。保険と自費のどちらを軸にしたいのか、3年後にどんな症状へ対応できるようになっていたいのか、いずれ独立を考えているのか。ここまで踏み込めると、志望動機に説得力が生まれます。自分の目標がまだ定まらないという人は、就職先の選び方を2つの軸で整理した記事から、考えを組み立ててみてください。

逆質問は「3年後の自分」を軸に組み立てる

面接の終盤では、たいてい逆質問の時間があります。ここで何を聞くかにも、本気度が表れます。福利厚生や休日だけを尋ねると、条件面しか見ていない印象を与えかねません。おすすめは、3年後の自分を軸にした質問です。入職して3年目の先輩は、どんな施術を任されていますか。技術を学ぶ時間は、勤務のなかにどう組み込まれていますか。こうした問いは、あなたが長く働く前提で院を見ていることを、自然に伝えます。面接全般の準備は整骨院の面接の記事もあわせてご覧ください。

採用側が、新卒に本当に期待していること

ここまで採用側の視点を述べてきましたが、根っこにある期待は、実はシンプルです。完成された技術ではなく、育つ前提を持っているかどうか。この一点に尽きます。

柔道整復師の技術は、入職してから何年もかけて磨かれていきます。だからこそ採用側が見ているのは、今できることではなく、続けられるか、素直に学べるか、患者さんに関心を持てるかといった、伸びしろにつながる部分です。就活の場でこの素地を見せられれば、多少の経験不足は問題になりません。むしろ技術を誇示しようとするほど、かえって伸びしろが見えにくくなることもあります。等身大の自分で学ぶ姿勢を示すことが、採用側にもっとも届く伝え方です。最初の就職先が将来を左右する理由については、新卒の就職先選びでも詳しく触れています。

就活で迷ったら、採用の現場に直接聞く

就活の型は、どの記事にも書かれています。けれど、採用側が何を見て、何を期待しているかは、実際に採用している人にしか語れません。求人票や見学だけでは埋まらない疑問があれば、採用の現場に直接ぶつけてみるのが、いちばんの近道です。

私たちmayplus-recruitは、東京・埼玉・千葉で自費の施術所を展開するCUREPROの採用窓口として、新卒の方の就活相談を受けています。面接でどう伝えればよいか、どんな院が自分に合うのか、3年後にどう成長できるのか。採用する立場から、正直にお話しします。当社の平均給与は42.7万円ですが、これは自費で技術に対価をいただく仕組みだからこその数字であり、それだけの技術を育てる環境だということでもあります。就活に迷ったら、応募の前でも構いませんので、一度ご相談ください。

監修

阿部 純治(柔道整復師)

株式会社May-Plus 代表取締役。柔道整復師として臨床に携わったのち、東京・埼玉・千葉で自費の構造改善専門院CUREPROを展開。慢性痛から難治症状まで対応できる技術者の育成に取り組む。